BLOG/日々のこと
2021.8.7
住宅の照明
今回は住宅の照明デザインについてお話しようと思います。
私は住宅の窓からこぼれてくる灯りが好きです。照明は必ず暖色にします。
この灯りがまるでそこに住む人の息遣いのように感じます。時にはその灯りが街並みを美しくすることもあります。都会の夜景もそうですがこの人工的な照明が何故か人々の生命の証のように感じてしまいます。その昔住宅の照明といえば裸電球から始まり、蛍光灯が普及して今ではいろんな選択肢がありますが、私は間接照明を採用することが多いです。
これはカーテンボックスの上部に間接照明を設置した例です。
これは梁の上部を彫り込んで、そこに照明を埋めています。もちろん構造的にはその欠損を見込んだ断面にしています。間接照明だと天井全体を照らして光が部屋全体に回ります。
これはブラケット照明ですが上下に光が漏れるタイプです。
玄関の照明も工夫します。
これは収納の下部に照明を仕込んだ例です。
これは通り土間の式台の下に照明を仕込んだ例です。床の墨入りモルタルがきれいに映えます。
玄関の照明についても一般の人は夜に照度を取るためのものと考えますが、私は人を迎えるための”ともしび”だと考えます。それが家庭であればご主人に「おかえりなさい」と語るような灯りにしたいと思います。