小林建設設計事務所

BLOG/日々のこと

2021.7.21

山口高校記念館改修(屋根)

記念館の屋根は2段の寄棟になっていますが、上段はおそらく建設当初のままで銅板葺きです。下段は当初は銅板葺きだったと思われますが、その後アスファルトシングル葺き、アスファルトルーフィング葺きと改修されているようです。

まずは軒樋の銅板の箱樋を撤去します。

そしてこの改修されたアスファルトルーフィングの下地が気になって、一部剥がしてみました。

過去の改修履歴にあるように、アスファルトルーフィングの下からアスファルトシングル葺きがそのまま出てきました。そしてわからなかったのが野地板の上に見える薄い木の板を重ねたようなものです。ベテランの屋根屋さんにもわかりませんでした。

後でわかったのですが土居葺きといって、まだアスファルトルーフィングがなかったころに屋根の下葺き材として薄い木の板を重ねて敷いて雨漏りを防いでいたようです。たまたま見学した築山神社の改修工事を見て発覚しました。記念館は大正時代の建物ですがまだそのころにはアスファルトルーフィングは普及していなかったようです。上屋根はおそらく銅板の下はこの土居葺きなのでしょうが、現状では雨漏りの形跡はありません。この歳(64歳です)になってもまだ知らないことがたくさんあります。

その他にも足場を掛けて詳しく調査すると、外壁の木部の化粧材も結構傷んでいます。

悪い箇所を確認しながら補修していく必要があります。