小林建設設計事務所

BLOG/日々のこと

2021.6.19

自邸&アトリエ建設記録その6(金物)

木造在来工法の構造について少しお話しておきたいと思います。

古い木造の建物は耐震の基準を満たしていないので地震に対して弱く新しい建物は強くなっていることは知られているとは思いますが、実際に昭和56年(1981年)年に新耐震基準が制定されて建物の構造はがらりと変わりました。それ以前に家を建てられた方は要注意です。ただそれ以降でも平成12年(2000年)以前の建物は金物の基準が現行法を満たしていません。近年の地震で倒壊する建物でもこの時期に建てられたものが多くみられます。

筋交い等は以前からありましたが、N値計算に基づいて引抜の力に耐えれれるようにホールダウン金物等で基礎と上部の建物をしっかりと緊結する必要があります。

ここまでは建築基準法なので建築士であればほぼ把握していると思いますが、家を建てるときにどの設計士に依頼しようか考えられている方にお伝えしたいのは、すべての建築家が同じように構造の知識があるとは言い切れないということです。弊社では木造の住宅であっても伏図、軸組図、壁量計算等を行って基本設計時にある程度の木架構をイメージします。しかし他の設計士の中には平面図と立面図のみしか描かない(描けない?)人もいます。特にデザインのみに特化して人に多いようです。それはいろんな工務店の人から実際に聞いた話です。建築に素人である建て主の方にはそれを見抜くのは難しいかとは思いますが大事なことなので、ぜひとも最低限の構造計画・図面は要求された方がいいです。設計施工一貫のホームビルダー等ではなおさらです。細かな図面は出てきませんので技術的な裏付けをしっかり説明できるところに設計がご依頼ください。